撮影協力:爬虫類倶楽部


和名:ファイア−サラマンダー

俗名:マダラサラマンドラ
英名:Fire Salamander
学名:Salamandra salamandra

分布
ドイツ、チェコ西部、スイス西部、イタリア北西部以西のヨーロッパ大陸、フランスピレネー山脈
生態
山地や丘陵地の森林に住み、水には入りません。繁殖は、春から初夏にかけてで、池などの止水に卵ではなく幼生を産み落とします。
全長
140-200mm

解説
ファイアサラマンダーには、多くの亜種がありますが、現在のところ分類は論争の最中であり研究者によって様々です。また、S.s.algiraとS.s.corsicaは、1996年に独立種(S.algiraとS.corsica)として再分類されました。また、S.s.infraimmaculataも独立種のS.infraimmaculataとして再分類される(された?)かもしれません。
和名ではXXXファイヤーサラマンダーと呼ばれていますが、原産地のヨーロッパではどの亜種もファイアーサラマンダーと呼ばれます。敢えて言うならば亜種名を頭に付けてTerrestris Fire Salamanderのように呼びます。また、日本に輸入されるときの名前は、それなりに英名が付いていますがインボイスネームとして付けられたものと思われるのでその名前でヨーロッパの研究者に問い合わせしてもわかってもらえません。

ヨーロッパから小アジアにかけて分布する有尾類で、フランスファイアーサラマンダー(S.s.terrestris)が最も一般的に分布しています。
一般的な体色は、黄色と黒の派手な警戒色ですが、赤と黒の個体もいます。また、外的から身を守るために、特に頭部の発達した耳線と皮膚の毒腺から毒を射出します。
成体は、完全に陸上生活をし、泳ぐことは出来ません。そのため、深い水場では溺れてしまいます。幼生は、一般的な有尾類と同じで、水棲です。  
コメント
大抵ショップで見かけるのが、このタイプのファイアサラマンダーですが、近年数亜種の幼体(CB)が輸入されるようになりました。
成体が入荷するときは、繁殖期で、水辺に集まった時を捕獲されたものなので、お腹に幼生を持ったメスが、ケージ内に出産?することがよくあります。
幼生・成体とも飼育は容易で、幼生はイモリと同様に飼育できます。私の経験では、幼生は3ヶ月ほどで変態して陸棲になります。このとき気を付けなければ溺れてしまうので、変態しそうになったらすぐに陸地を作ってあげましょう。また、私の失敗談ですが、他のサンショウウオの幼生と一緒に同居させていたのですが、本種が変態するとすぐにサンショウウオの幼生は全滅してしまいました。多分、何故か毒を出したものと考えられます。
成体の飼育は、餌付きやすいですが、大型のコオロギなどを与えるのは注意が必要です。私は、腹を空かせたコオロギに本種が足を食われてしまった経験があります。それ以来、養殖ブドウムシやコオロギの幼虫、ミミズなどを与えました。多分ならせばピンクマウスも食べると思います。

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