成体雄

成体雄成体雌

落ち葉に産み付けられた卵嚢

丘陵地帯の生息地(産卵地)の様子
崖下の湿地谷間の休耕田窪地の小さな池

和名:トウキョウサンショウウオ

英名:Tokyo Salamander
学名:Hynobius tokyoensis

分布
関東地方から福島県東部
生態
海岸地帯から標高300m程度の丘陵地帯や、低山地の湧き水のある雑木林に住んでいます。繁殖期は、1月中旬から3月位にかけて丘陵地の谷などにある水田や、池沼などの水たまりにバナナ形の卵塊を産みます。
全長
80-130mm

解説
トウキョウサンショウウオの成体は、産卵場の周囲の林の中で、ミミズやモグラ、ネズミなどが掘った穴の中や、倒木の下などに隠れて単独で生活しています。また、全てのサンショウウオに言えることなのですが、暑さに弱く夜行性のため、産卵期以外では滅多に見つけることが出来ません。
幼生は、貪欲で動物性プランクトンやユスリカの幼虫(アカムシ)など口に入るものはなんでも食べ、共食いまでします。また、水生昆虫の餌食にもなり、変態して上陸するものは5%にも満ちません。上陸した幼体は、4〜5年かけて全長程で成熟し、10年以上も生きます。
かつて、トウキョウサンショウウオは、カスミサンショウウオの近縁で亜種と考えられていましたが、酵素タンパクやDNAの研究でカスミサンショウウオよりむしろ、トウホクサンショウウオに近縁なのがわかりました。
また、愛知県の個体群は、かつてオワリサンショウウオとあてられていましたが、トウキョウサンショウウオに落ち着きました。しかし、近年の研究でトウキョウそのものではないという事が分かり、オワリサンショウウオとして分類される見通しです。
コメント
丘陵地に生活しているため、私達にもっとも身近なサンショウウオなのですが、開発の影響をもろに受け、生息域が減少の一途をたどっています。また、繁殖期のあとには、卵が祭りの夜店などにも出回ることがあり、業者による乱獲も個体数減少に影響を与えていると思います。
東京都の産業廃棄物処理場問題で、全国的に有名になった「日の出町第二処分場建設現場」は、トウキョウサンショウウオの生息地でした。しかも、日の出町では、トウキョウサンショウウオを町の天然記念物に指定しているにも関わらず、工事を認めている有様です。行政のバカ役人共は、いったいどういうつもりなんだろう?「人間第一」を大儀名文に環境破壊を進めるつもりなのだろうか?環境破壊は、結局”時間をかけた自殺行為”に他ならないと思いますが・・・今日も、トウキョウサンショウウオの鳴き声が聞こえる・・・・・

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